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「家族滞在ビザ」の基本と制限:なぜ配偶者や子供は呼べても実親は呼べないのか?

■家族滞在ビザとは?
「家族滞在ビザ」は、日本で働く外国人が家族を呼び寄せるための在留資格です。このビザでは、配偶者や子供が対象となり、日本で一緒に生活することが許可されます。しかし、ここで注意が必要なのは「家族」の範囲です。多くの方が「親も呼べるのでは?」と期待されますが、実は実の親(老親)は対象外となります。

■なぜ実の親を呼び寄せることが難しいのか?
多くの方から「配偶者や子供は呼べるのに、どうして実親はダメなの?」という質問をいただきます。結論から言うと、日本の「家族滞在ビザ」はあくまで核家族(夫婦とその子供)を前提としているため、実の親や祖父母を呼び寄せることは認められていません。

■老親ビザはなぜ存在しないのか?
高齢の親を日本に呼び寄せて一緒に暮らしたい、という願いを持つ方は少なくありません。しかし、日本には「老親ビザ」という特別な在留資格はありません。この理由には、日本の移民政策の基本方針が関係しています。

日本の政策背景
労働力不足の解消を目的とした「技能」や「特定技能」ビザは充実していますが、扶養家族の範囲は制限されています。
社会保障負担の増加を避けるため、高齢者の受け入れに消極的。医療や介護のコストが増大するリスクがあるためです。

■親を呼び寄せる方法は全くないのか?
実親を日本に呼び寄せることがどうしても必要な場合、短期滞在ビザ(観光ビザ)の活用が考えられます。例えば、観光目的での一時的な滞在であれば最長90日間の滞在が可能です。しかし、長期的に親を扶養する目的では利用できないため、注意が必要です。

短期滞在ビザの後に、「特定活動」というビザに変更する方法もありますが、とても要件が厳しくなっています。また、医療目的の「医療滞在ビザ」を活用できる場合もありますが、これはあくまで入院して治療が必要な場合に限られます。

日本も今後、高齢化社会の進行に伴い、ビザ政策に変化が生じる可能性があります。しかし、現時点では「家族滞在ビザ」の枠内に親を含めることは難しい状況です。

■まとめ
家族滞在ビザは、日本での生活をサポートする重要な制度ですが、その対象は限られています。親を日本に呼びたいと考えている方は、短期滞在ビザなど他の選択肢を検討する必要があります。当事務所では、最適なビザの選択や申請手続きについてご相談を承っておりますので、お気軽にご連絡ください!

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